<日経BP社 日経ネットブレーン1月号  記事>
電子政府
動き始めた「電子政府」構想
ビジネスチャンスを狙い業界の動き急

この記事は日経BP社「日経ネットブレーン 2001年1月号」に記載されたものです。

各種行政サービスを電子化し、効率的な行政府を目指す。
2003年を目標に掲げる「電子政府」構想が実現すれば、電子商取引の世界も変わる。
2001年はその基盤作りの年として、関係業界もにわかに活気づいている。


 2001年4月、「電子政府」を実現する上で重要な法律が施行される。通称「電子署名法」。電子文書にある署名も肉筆による署名や押印と同等の法的効力を認めるという法律だ。商取引はもちろん、行政機関への届出や申請など署名が必要な文書のやり取りもネットで完結する世界が、ついに現実味を帯びてきた。
 こうした電子行政の取り組みを受け、現在、民間企業では技術提供やシステム構築を請け負おうとする動きが活発化している。例えば、大企業や外資系会社20社が集まる民間団体「電子申請推進コンソーシアム」では、電子書類の申請に関わる要素技術について研究している。
 電子帳簿の技術は、数多くの実績をもつカナダのジェットフォーム社日本法人が、「XML」というフォーマットでの文書の申請と管理システムを提案。具体的な申請書類のスタイルについては、申請用紙トップシェアの日本法令が中心となって活動中だ。各省庁毎にバラバラの申請用紙や入力項目を標準化することで、省庁間で文書の交換ができる環境を作るよう働きかけている。この他、電子署名分野では、ICチップ技術を持つ大日本印刷、認証ソフトの日本ベリサインや日本ボルチモアテクノロジーズ、セキュリティ技術の富士ゼロックス、リコーなどが参加して、行政への提言を検討している。
 各社が電子政府に関心を寄せるのは、単に行政からの仕事の受注を期待しているだけではない。「GtoG(省庁や地方自治体同士の文書やり取り)」「GtoBC(認可・申請)」分野で「デファクトスタンダード」となる技術やノウハウを確立すれば、新たなビジネスチャンスが生まれると考えているからだ。
 電子政府の未来図を支える汎用技術やノウハウを「民」に転用していけば、新たなサービスが生まれる。例えば,これまで紙の書類、捺印が必要だった銀行・証券業界でも、個人認証がきでる金融向けICカード1枚で、同じグループ企業内のサービスがスピーディーに提供できるようになる。既に、JR東日本では定期券をICカード化し、特急指定席のネット予約や決済から駅キオスクでの買物までを、このIC定期券一枚でサポートする構想を打ち出した。電子政府のインフラづくりを通じて、こうしたサービスが一気に花ひらく可能性があるのだ。
 2001年はその基盤作りの年。「GtoX」関連の話題がますます増えそうだ。

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